※今月は、説教要旨ではありません
「イスラエルに送り出していただき、ありがとうございました」

                      指方周平牧師(2016年11月)

 

11月10日(木)~17日(木)、東所沢教会の皆様の祈りと応援に送り出されて、聖書の舞台イスラエルに行ってきました。葬儀や永眠者記念礼拝が終わり、緊張が解けた出発直前に風邪をひいてしまい「自分は本当にイスラエルに行けるのだろうか」と暗鬱たる気持ちにも陥りましたが、帰国して1週間たった今は「自分は本当にイスラエルに行ったのだろうか」と、あれは夢ではなかったかしらと圧倒的な余韻の中を過ごしております。子どもの頃から聖書の舞台であるイスラエルの地名は知っていたものの、何かと紛争のイメージが付きまとう現代のイスラエルとは、どうしてもイメージが結び付きませんでしたが、今回の旅は、主イエスが聖書の中だけでなく、現実の世界に来られたことを確かめる大切な機会となりました。1200枚近い写真をスライドショーに整理して、きちんと報告をしたいと考えておりますが、締め切りがやってきた教会月報「しののめ」の紙面をお借りして、まずは、今回の旅の感謝を送り出してくださった教会の皆様にお伝えしたいと思います。

 

イスラエルに行かれた方々が口をそろえておっしゃられる「聖書の読み方が変わる」というのは本当で、ガリラヤ湖やエルサレムと地名を聖書でたどる時、実際に今回の旅で歩いた距離感、実際に眺めた風景、実際に感じた空気がよみがえってきます。もう10年早くイスラエルを訪れていたならば(しばしば辛かった)説教準備は、どれだけ豊かで充実した時になっていたかと思われて惜しい気持ちさえしました。人生の基礎工事の時期にある感受性豊かな若い方々には、聖書の舞台であるイスラエルの訪問を、必ずや人生の宝物として、強くお勧めしたいです。必ずや、主イエスの御跡をたどる信仰生活の土台を固める体験になるでしょう。

 

今回、イスラエルには僕一人で行きましたが、どこを訪ねても、僕を送り出してくださった教会の皆様の笑顔が思い出され、いつも皆様が一緒にいました。東所沢教会では、既に2回、聖地旅行が行われておりますが「先にイスラエルに来られた方々は、ここを訪ねられただろうか、次回はイスラエルに来たことのない方も一緒にここを訪れて、皆さんで感動を分かち合いたいな」と思い巡らせておりました。東所沢教会に赴任して早5年。十分な働きを成せているわけではない僕のために、教会の皆様が祈り、牧師海外研修のために献金を献げてくださり、自分たちの牧師として大切にしてくださって、イスラエルにまで送り出していただいた事実の確認は、今回の旅の最たる収穫であり、最たる感動でした。

 

今回の旅を通して、創立30周年を迎えた東所沢教会の皆様との出会い、そして自分が東所沢教会の牧師として用いられている喜びを数え直しております。感動して帰国したとはいえ、聖人になって帰ってきたわけではないので、僕の牧会や説教が劇的に変わるわけではありませんが、それでも、今回の旅の感動や、自分という器に注がれている神さまからのあらゆる豊かさが、恵みの裾野として皆様にじわじわと広がっていけば素晴らしいな、神さま、どうか、そのように僕を用いてくださいと祈りを新たにしております。今回の旅に向けて、まるで自分が行くかのように僕の聖地旅行を喜び、応援し、旅の最中にあっても、途切れることなく祈り続けていただき、皆様、本当にありがとうございました。これからも、この素晴らしい出会いを与えてくださった教会の頭にして土台であられる主イエスにありて、主イエスの御跡をたどる群れの仲間として、よろしくお願いします!
                     (教会月報「しののめ」213号)

ガリラヤ湖畔のペトロ召命教会にて。この付近でペトロは主イエスに出会い「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と弟子になるよう招かれました。後に、復活された主イエスは、ここでペトロに3度「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか」と問われ直したとされています。礼拝堂の中には、復活された主イエスが弟子たちに朝食を用意されたと伝わる岩場が「キリストの食卓」として残されていました。